スキーマ(Schema)とは
ビジネスやマーケティングにおいては、スキーマとリッチスニペットの活用が重要になるケースが少なくないです。スキーマとは心理学における特定の出来事に関する情報や知識のことですが、広告分野でも応用されています。
広告分野における商品スキーマは商品についての情報、知識をまとめて伝える手法で、消費者に対し強く印象を残したり、簡単な切っ掛けで想起させられるようになります。スキーマを簡潔に説明したり理解するのは容易ではありませんが、一種のデータベースだと考えると理解が早まります。
具体的には消費者の頭にデータベースがあって、蓄積されている記憶が相互に関係しあい、何かの切っ掛けで関連する記憶が引き出されて連想に繋がるイメージです。知識構造ともいうことができますから、実際のところは複雑で活用は簡単ではありませんが、しかし上手く活かせばマーケティングに有効利用可能です。
結局のところ、心理学のいうスキーマは無意識的に物事を捉える概念のようなもので、知識や記憶に基づいて判断されるといえます。
商品スキーマはこのある種の決めつけを逆手に取る手法で、商品知識を意図的に発信することによって、ブランドイメージの確立に結びつけることができます。実は商品の宣伝広告では、商品だけでなくそれと関連づける様々な情報が同時に発信されることが多いです。
商品スキーマの活用
商品スキーマの活用はいうなれば商品と商品から連想されるイメージの植えつけで、ブランドイメージを確立する際には避けて通れないものです。これを応用するとリッチスニペット、つまり検索によるユーザーのクリックを誘導したり、アクセス数のアップや購買に結びつけることも可能となります。
リッチスニペットとは
リッチスニペットはいわばページの要約で、そのページにアクセスするとどのような情報が得られるかのヒントです。基本的な要約だけだと単にスニペットといいますが、リッチスニペットはページに掲載される商品の価格や画像、評価なども含むのが特徴です。
リッチスニペットの実現にはデータの構造化が不可欠ですから、逆に考えると商品スキーマとの相性が良く、検索エンジンを意識してページを構成すれば集客効果が高まる結果に至ります。
schema.orgは主要な検索エンジンが策定、規格化した共通仕様で、マークアップに用いることができます。構造化に関するタグやタイプ、プロパティなどが用意されているので、これらを活用して商品スキーマを記述することになります。
schema.orgを活用すると検索エンジンにサイトに関する情報を正確かつ詳細に伝わるので、リッチスニペットもまた詳細でユーザーにとっての価値あるものになるでしょう。
イベントスキーマ
目を引くデザインよりもコンテンツの質と構造化が重視される傾向
schema.orgにはイベントスキーマというものもあって、文字通りのイベントに関する記述が行えるようになっています。イベントの告知をするページに適していますから、イベントに関する内容をリッチにユーザーに伝えるのに最適です。イベントスキーマでイベントに関する情報が検索エンジンのインデックスに登録されると、検索結果の表示が変わって様々なメリットが得られます。
例えばページがイベント機能に対応することがユーザーに伝わるので、純粋に目立ちやすくなることがメリットの1つに挙げられます。それからイベント情報からページにアクセスする手段が増えたり、アクセスを促す手法が使えるようになりますから、リッチスニペットと合わせて活用しないのは勿体ないです。
イベントスキーマの成功事例には、検索エンジンからの流入が前年度比100%増というケースもあるので驚きです。従来のWebサイトは、コンテンツの量や目を引くデザインが重視されてきましたが、近年はコンテンツの質と構造化が重視される傾向にあります。
イベントスキーマもその1つで、イベント情報を構造的に発信することや、検索エンジンにクロールされたりリッチスニペットのように有効活用される工夫に注目が集まります。
求人スキーマ
Googleおしごと検索 jobpostingスキーマ
schema.orgには求人スキーマもあって、やはり求人情報に関するデータを構造的に用いて、リッチスニペットに活用する方法が主流になりつつあります。スキーマに共通するのは、情報に構造化したデータを追加する形で設定することです。求人スキーマの場合も、求人情報に情報を発信した日付や求められるスキル、勤務先やリモートワークに関することまで構造的にデータを追加します。
一見すると構造化しなくても同じだと思いがちですが、大事なのは関連する情報の構造や含むことができる内容が定義づけられていることです。
求人スキーマは商品スキーマやイベントスキーマと同じく、検索エンジンに正しい情報を伝えて表示してもらうのが目的ですから、構造化して正確に情報を伝えられるのは便利で有用です。
確かに、構造化データを作成したり追加する手間はあるものの、集客力が上がるリッチスニペットに繋がることを考えれば、十分に手間暇を掛ける価値はあるといえるでしょう。